1. |
本剤は他のビスホスホネート系薬剤と同様に、咽喉頭、食道等の粘膜に対し局所刺激症状を引き起こすおそれがある。特に適切に服用しない患者では、食道、口腔内に重度の副作用が発現する可能性があるので、服用法について患者を十分指導し、理解させること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
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2. |
本剤の投与により、上部消化管に関する副作用が報告されているので、観察を十分に行い、副作用の徴候又は症状(嚥下困難、嚥下痛又は胸骨下痛の発現又は胸やけの発現・悪化等)に注意し、患者に対して、これらの症状があらわれた場合は、本剤の服用を中止して診察を受けるよう指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
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3. |
骨粗鬆症の発症にエストロゲン欠乏、加齢以外の要因が関与していることもあるので、治療に際してはこのような要因を考慮する必要がある。
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4. |
患者には、食事等から十分なカルシウムを摂取させること。
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5. |
低カルシウム血症のある患者は、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。また、ビタミンD欠乏症又はビタミンD代謝異常のようなミネラル代謝障害がある場合には、あらかじめ治療を行うこと。
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6. |
*ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。 また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
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7. |
*ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
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8. |
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
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